
溶岩石と鉢植えを配置した道路沿いの土留め
我が家の道路沿いに、奇妙な一角が誕生しつつある。
黒い溶岩石が点在する、幅わずか15cmの細長いコンクリートの上。そこには小さな植物の鉢が並び、黒いフェンスにはソーラーライトが取り付けられている。

ソーラーライトで照らされた夜の溶岩石庭園
夜になると、景色は一変する。
フェンスに光の筋が浮かび上がり、溶岩石の凹凸が影をつくる。
名付けて、「火山爆発溶岩石要塞」。
しかし、これは単なる趣味のロックガーデンではない。
実は、ある問題を解決するために始まったDIY計画なのだ。
家の土留めに、通行人が座る。
新築の外構工事を終えたあと、そんな予想外の出来事が起きた。
そこで考えた。
人が腰掛けやすい平らな面を、景観として美しく分断することはできないだろうか。
猫は通れて、人間は座りにくい。そして、道路から見ても美しい境界。
そんな少し変わった目標を掲げて、火山爆発溶岩石要塞の建設が始まった。
1. 新築の土留めが、なぜか休憩場所になった
我が家は、敷地約100坪の平屋住宅。
カーポートや土間コンクリート、目隠しフェンスなどの外構工事を行い、ようやく家の周囲が整った。
ところが、道路に面した土留めに腰掛ける人が現れた。
しかも、一度ではない。
問題の土留めは、高さ約30cm、幅約15cm、長さ約6〜7m。
本来は土を支えるための構造物で、ベンチとして設計されたものではない。
しかし、道路沿いに平らな面が長く続いている。
通行人から見ると、ちょうど腰掛けられそうな高さだったのかもしれない。

人は、どんな場所を「座ってよい場所」と判断するのだろう。
敷地の境界に気づかなかったのか。それとも、境界は分かっていても、少しくらいなら構わないと考えたのか。
相手の内心は分からない。
ただ、我が家の土留めが実際に休憩場所として使われたことは確かだった。
2. 注意書きよりも、景観で境界をつくりたい
対策として考えられるのは、立入禁止の看板や注意書き。
しかし、せっかく外構を整えたのに、道路沿いに禁止表示を並べるのは避けたかった。
そこで思いついたのが、土留めの上に石や植物を配置する方法だ。
長く平らな面が続いているから、腰掛けられる。
それなら、その面を分断して、自然に腰掛けにくい形へ変えればよいのではないか。
ただし、条件がある。
- 要塞の石や植物は、自宅の土留めの上に置くこと。
- 通行人や車両の妨げになるものは置かないこと。
- 土留め下は砂利で覆い、撤去を求められればどかせる状態にしていること。
- 猫が通れる余地は残すこと。
- 庭として美しく仕上げること。
土留め下の砂利について
土留めの下には、自宅の敷地と公共の部分が混在している。
外構工事の際、業者さんは土留めを敷地境界ぎりぎりには施工しなかった。この部分の扱いについても、業者さんと話をしている。
この地域では、土が露出して雑草だらけになったり、景観が悪くなったりすることを避けるため、道路沿いを砂利や土間コンクリート、花壇などで整えている例がある。
実際、近隣にも土間コンクリートや花壇で整備された場所がある。
我が家では、通行人や車両の妨げにならないようにし、撤去を求められた場合には対応するつもりで、土留め下を砂利で覆っている。
これは、公共部分に自由に物を置いてよいという意味ではない。地域で見られる慣習と、我が家での管理方針についての記録である。
単に人を遠ざけるための障害物ではなく、境界そのものを庭に変える。
これが今回のDIY計画の基本方針になった。
3. なぜ溶岩石? 火山爆発溶岩石要塞の誕生
|
|
今回の主役に選んだのは、黒っぽい溶岩石。
表面には無数の凹凸があり、ひとつひとつ形も違う。
丸く整った庭石とは違い、荒々しく不規則な表情を持っている。
我が家の外壁はチャコールブラック系で、フェンスも落ち着いた暗色。
そこに、ニューサイランやユッカなど、葉の形が印象的な植物を取り入れている。
|
|
|
|
この景観に、黒い溶岩石を組み合わせたらどうなるだろう。
目指したのは、火山が爆発し、飛び散った石がそのまま残されたような景色。
石を整然と並べるのではなく、大きさや間隔を変えながら、不規則なまとまりをつくっていく。
こうして「火山爆発溶岩石要塞」という、少々物騒な名前のDIY計画が誕生した。
4. 幅15cmの土留めは、想像以上に難しい
今回の施工場所は、幅約15cm。
長さは約6〜7mあるものの、奥行きが極端に狭い。
一般的なロックガーデンなら、大きな石を据え、その周囲に植物を植えればよい。
しかし、ここではそうはいかない。
石が大きすぎれば、土留めからはみ出してしまう。高く積めば、落下の危険もある。
さらに、石や植物を置きすぎると、庭というより物置のように見えてしまう。
そこで、最初から完成形を決めるのではなく、動かせる素材を使って少しずつ試すことにした。
小さなソーラーライト、鉢植え、形の異なる溶岩石。
実際に配置して、離れた場所から眺め、また動かす。
この繰り返しで、景観と実用性の両立を探っている。
【写真4:溶岩石と鉢植えの配置が分かる昼間の写真】
溶岩石は固定しなくても落ちない?
現在、我が家の溶岩石は基本的に置くだけで、固定していない。
ある程度の重さがあり、表面のザラザラした凹凸が石同士に噛み合うようで、これまで経験した強風では落下していない。
ただし、これはあくまで現時点での観察結果。
人が触れた場合、地震や積雪など、別の条件でも安全とは限らない。
特に道路沿いの狭い土留めでは、石の落下が通行人や車両に危険を及ぼす可能性がある。
これからも配置の安定性を確認し、必要に応じて固定方法や設置場所そのものを見直すつもりだ。
同じようなDIYを行う場合は、石を載せるだけで安全と判断せず、土留めの構造や落下防止を含めて検討してほしい。
5. 植物とソーラーライトで、昼と夜の景色を変える
溶岩石だけでは、少し無骨すぎるかもしれない。
そこで、形の異なる植物を組み合わせることにした。
ニューサイランの細長い葉、低い鉢植えの柔らかな緑。
植物の高さや葉の形を変えることで、石の荒々しさを引き立てながら、庭としての表情をつくっていく。
そして、もうひとつの重要な素材がソーラーライトだ。
|
|
フェンスの隙間を利用して、小さなライトを取り付けてみた。
すると、夜になると黒い横板に放射状の光が現れた。

溶岩石とコンクリートを照らすソーラーライト
さらに、土留めの上や周辺に置いたライトが、コンクリートと溶岩石を照らす。
昼間は石と植物の庭。
夜は光と影の庭。
同じ場所なのに、まったく違う景色になった。
照明の位置を少し変えるだけでも、光の広がり方は変わる。
このあたりは、今後の連載で詳しく紹介したい。
なお、フェンスに挟んだライトは試験的な設置方法なので、脱落しないよう固定方法も含めて検証が必要だ。
6. 要塞をつくってから、座る人は現れた?
ここが、今回のDIYで最も気になるところだろう。
要塞をつくり始めてから、今のところ土留めに座っている人を見かけていない。
ただし、24時間観察しているわけではない。
単に座る人が通らなかっただけかもしれないし、石や植物によって腰掛けにくくなった可能性もある。
現時点では、効果があったと断定することはできない。
そもそも、土留めの上にはまだ平らな部分が残っている。
今後も配置を調整しながら、経過を観察していく予定だ。
それでも、以前はただのコンクリートの境界だった場所が、今では小さな庭になった。
通行人の行動が変わったかどうかは、まだ分からない。でも、庭の景色は確実に変わった。
7. 外構は、完成してからが本番なのかもしれない
新築の外構工事を終えたとき、これでようやく家の周囲が完成したと思っていた。
しかし、実際に暮らし始めると、図面では分からなかった問題が現れる。
通行人の動線。
道路からの視線。
植物の育ち方。
昼と夜で変わる景色。
外構は、一度つくったら終わりではないのかもしれない。
我が家では、カーポートや土間コンクリート、フェンスなどの大きな工事は専門業者に依頼した。
その一方で、植栽や照明、石の配置などは、自分で少しずつ手を加えている。
大きな枠組みはプロにつくってもらい、細かな部分は暮らしながら変えていく。
この方法なら、生活の変化や新しい発見に合わせて、庭を育てていける。
火山爆発溶岩石要塞も、そんな試行錯誤のひとつだ。
まとめ:火山爆発溶岩石要塞、建設は続く
今回のDIYで目指したのは、道路沿いの土留めを、腰掛けにくく、景観としても美しい場所に変えること。
幅15cmという厳しい条件の中で、溶岩石、植物、ソーラーライトを組み合わせている。
まだ完成していないし、座り込み防止の効果も検証途中。
それでも、昼と夜で異なる表情を持つ、小さな庭が生まれつつある。
猫は通れて、人間は座りにくい。そして、美しい。
そんな境界を目指して、火山爆発溶岩石要塞の建設はこれからも続く。
次回予告
第2話:幅15cmの土留めに溶岩石をどう置く? 石の選び方と配置の試行錯誤
実際に使った溶岩石の大きさや、石を置く位置、植物との組み合わせについて詳しく紹介する予定だ。
※この記事は自宅のDIY外構の制作記録です。道路沿いの土留めへの重量物の設置を推奨するものではありません。施工する場合は、所有範囲、構造、固定方法、落下防止などを十分に確認してください。


コメント