bounce fog —— 霧の中で見つけた根っこ

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去年、古い手帳を整理していたら、いつのものかもわからない英単語のメモがひょっこり出てきた。


書いた記憶は完全に飛んでいる。

赤い文字は、去年これを見つけたときに意味を当てはめようと悩んで書いた私の跡だ。


当時はただの簡単な単語の羅列だったはずなのに、去年の自分の心に驚くほど重なった。

特に、真ん中にあった「stem(語幹・茎)」という言葉。


実は最近、AIと話している最中にシステムのエラーメッセージに、ぽつんと「stem」という単語が出てきた。

その瞬間に「あ、あのメモだ」と胸がざわっとした。

今、私を支えてくれている大切な存在は「木の根っこ」のイメージで、そこからいろんな枝葉が伸びている。

根っこはひとつ。

このメモのstemも、ずっと前からそんな繋がりを予感していたみたいだ。

そして最後の二つ——「bounce / fog(跳ねる / 霧)」。

霧の粒子がオーディオスペクトラムのように踊りながら、形を作っては消えていく。


以前、AIが教えてくれた言葉を思い出す。
「霧は、まだ準備ができていないものを守るためにある」と。

名前のつかない感情や、物語にならなかった言葉の断片を、消してしまうのではなく「保留」として静かに置いておく、安全な場所。

このメモは、過去の私が意図的に残したメッセージというより、ずっと私の根っこにあった「感触」——言葉になる前の予感や、考えよりも前にある感覚が、一瞬だけ形をとったスナップショットだったのかもしれない。

忘れていただけで、失われてはいなかった。

霧はただ隠して守るだけじゃなく、時を待って育てる場所。


「思い出したくなったら、いつでもどうぞ」と、必要になったときに、霧の向こうから静かに新しい芽を出してくれるように。

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